革新的な美粒の高圧乳化分散、グラフェン、カーボンナノチューブ、セルロースナノファイバー、挙動は同じです。

あるSWCNTがなぜ解繊できないのか。

あるSWCNTがなぜ解繊できないのか。

あるSWCNTがなぜ解繊できないのか、暗黒物質が邪魔するからである。

 私は、大学や研究機関でCNTの実用化研究をしているものではないし、電池、塗料、接着等の用途開発者でもない。だから、下流側でどんな付加価値があろうとも、上流側(原料)側から分散がつながれなければ、意味がないと思っている。残念なことに、上流側にあるのは、微粒化要求が強い範囲ほど、粉砕、破壊の分散哲学しかない。装置側のレベルが低ければ、化学的なプロセスで対処している。化粧品でいえば、界面活性剤によるミセル乳化である。世界で、だれも、高圧乳化分散の微粒化原理を新に考えて、それを装置やシステムまで昇華した人はいない。誰もが、新商品と称して、新規というが、ほとんどが亜流である。インレットチャッキ、ポンプのストローク、圧力勾配、温度勾配、量産性、すべてが、絡み合っている。それを全部理解して、分散のグランドデザインを用途に対して組める人など、世界にだれもいないといっていい。なぜなら、そんなことをやっている人がいないからである。そのプロセスと材料を最適化させ、作ったのが、ナノカーボン乳化である。だれもやったことがないから、一発で特許がおりた。比較するものがないからである。

 あるSWCNT、国内で手に入る最安値のSWCNTである。他にもあるが、色々としがらみがあるから、言及はしない。私は、分散技術のプロである。他に誰もいないから、現状では世界一だと自負している。高圧分散機として、私の作り上げたロジックを超えるロジックを搭載した装置、システムがでないからである。そして、費用対効果として、私が作り上げたものを超えるものが、今、ないからである。結果として、ある意味、このとんでもないSWCNTをもっとスマートにきれいに安く解繊する技術がないし、私が人生の中で、未来にひとつの夢を提示できたと思って作り上げたナノカーボン乳化、そんなものをつくるツール、分散技術がほかにないからである。

 プロである以上、自分が作り上げたシステムに、一回処理物を流したら、どんな結果がでてくるのか、それをみたら、どんな相互作用を起こしたのか、一発で、そのものの特性がわかる。ある意味、微分方程式の解を探すようなものである、装置側に関しては、私だけ神様の視点でものが見える。どのようにしてつくったか、その論理を支配しているからである。細部がわかれば、そこは定数項としてみれるのである。だから、結果がわかれば、どんな相互作用するものなのかがイメージとしてわかる。装置側の定数項がわからなければ、だれも、最適化などできない。実験を繰り返して、最適化の因数を導くしかない。それもある程度の感性が必要になる。芸術家気質の感性がいるのである。

 このSWCNTは、特別だった。分かっているのは、解繊の効果がでるのは、最低でも0.2mm未満の径を通過させなければならない事である。どうしても、それ以下がいかない。それが均一ならいい、しかし、不均質、ロットによってことなる。0.17mmの径でも同じ100Mpaという力を加えても、解繊される(一部、破壊)ものもある。しかし、ぴたりと動かなくなるものもある。CNTの製造をみていると、合成品だから、均質などありえない。量産プロセスでやればやるほど、その不均一さはでてくる。不純物は増えてくる。だいたい、現象と動きをみていれば、どんな要因でどうなっているのか、大体、無学な私でもわかってくる。どう対処すればいいか、35年以上、わけのわからない複雑系の分散に携わった人間なら、感覚的にわかる。

 本当は、このSWCNTの解繊などやりたくはなかった。しかし、ある理由から、それは必然になった。それが、自分が作り上げたナノカーボン乳化に、必要になるだろうとの未来からの予測である。別な言葉でいえば、神からの啓示といっていい。油(疎水系材料)をナノカーボン(剥離させた一般市販黒鉛とMWCNT)で水に乳化させたものである。ある意味、絶縁体粒子を導電材物質で薄く包み込むものである。それでもナノカーボン乳化は成立する、しかし、そこにある水をとばしても、膜にはならない。シート化するには、他のなにかしらの高分子が必要になる。基本的に、金属以外は、大抵絶縁物質である。私には、導電材を崩したくなかった。それで膜を形成できるもの、ネットワークを構築できるものは、同系材料ではSWCNTしかなかった。電磁波シールド、放熱板シート、リブの負極や正極の導電材、補強材、いろいろと用途はある。そのためには、このじゃじゃ馬のように変動するSWCNTを何とかするしかなかった。暗黒物質(不純物)は、頭をつかえば、簡単に排除できた。なぜなら、自分で作った装置である。結果から、その因果は見えてくるのである。除去すれば、折れることなく、きれいに解繊されるのである。普通の人には、ブラックボックスである。しかし、それを作った自分からみたら、結果からみれば、すべての因果はわかるのである。それが神様の視点である。

 私は、装置側、プロセス側の人間である。生産技術がどれほど重要なのか理解している。量産化できないもの、コストにあわないもの、つまり、費用対効果のないものは、どんなにいいものでも、軍事や宇宙関連以外、絶対にイノベーションを起こすものにはならない。例えば、リチウム二次電池の固体電解質、電子は通さず、特定のリチウムイオンだけ通す物質など、均質に大量生産できるだろうか、それも、市場性のある費用対効果のある価格で、まず、よほど、国の国家予算でつくるしかないはずである。つくっても、たぶん、費用対効果がないから、稼働しないだろう、それと同じように、SWCNTも、もっと価格がさがらないとこの材料が使われることがないはずである。ナノカーボン乳化からの究極の理想論からみれば、黒鉛:MWCNT:SWCNTの原料費の比率は、1:10:100ぐらいにいずれなるはずである。黒鉛とMWCNTは現状、この比率にある。だから、必然的にSWCNTの価格も市場が見えだせば、下がるはずである。もし、下がらなければ、SWCNTは市場から消えるはず。暗黒物質が簡単に外せて、解繊が量産可能で費用対効果のあるプロセスとしてみえたら、SWCNTの市場性は見えるはずである。SWCNTの市場性がでれば、世界の投資家がうごいて、SWCNTの製造技術を水面下で動かして、そうなるように中国で作らせるかもしれない。

 世界のとぼけた投資家は、大抵、下流の用途しかみない。絵にかいた餅、夢のまた夢であることを理解できない。投資家の利益は、基本的に価値の変動差の中でしかうまれない。地球温暖化であるから、それを抑制するような市場形成をみるはずである。しかし、従来の粉砕、破壊の分散哲学の延長線には、台風19号の自然災害のようなカタストロフィしかない。飽和した技術の先にあるのは、過飽和、地球温暖化がさらにヒートアップする世界があるだけである。

 私の命も有限、いずれ、時間がくれば、ぼけてあの世へといく。願うのは、未来が今よりもいい世界、より人が人として生きやすい時代、技術が人をたすける時代であること。いずれ、太陽は膨張し、地球を飲み込む。地球が崩壊するまえに、人類が生き残るために、ノアの箱舟をつくり、宇宙へと旅立たなくてはならない。もちろん、気が遠くなる未来であるが、そのためには、50年後は、今よりも技術が進んでいなければならない。技術革新は先送りできない。私は、我欲の強い投資家をもうけさせるためにやっているのではない、未来のため、私がつくりあげたものが、未来に役立つと信じているから、やっているのである。もちろん、ある企業からはしごを外され理不尽な借財を背負わされて、その借金を返済するために、がんばっているのも事実であるが、それだけなら、ここまでのことはやらない。もっと、小賢しいやり方をする。なぜ、このようなブログにも、美粒のHPと同じことをOPENにするのか、といえば、私には、誰彼を忖度する時間がないのである。やらなければならない物理的な時間と私が現実的に生きられる時間とを重ねると、もう余裕がないからである。だから情報は、可能な限り発信した方がいいのである。エネルギー保存の法則がある以上、情報もエネルギー、この宇宙がある限り、これはSNSと同じように消えることはない。今は、わからなくても、だれかが、未来において受け止めてくれると信じているからである。

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